拝啓 古屋先生

2003年7月22日
お久しぶりです。
吹奏楽部時代は散々いじめてくれて有難う御座いました。
なんて不届きな事は言いません。
寧ろ感謝している位です。

古屋先生とは中学校時代、吹奏楽の外部講師でした。
とにかく、今でも分からないくらいすごい人だったようです。
なんせその頃私たちが聞いた名前は芸名だったというんですから。

とにかく厳しい先生でした。
特にパーカスは重要パートだったせいもあり、集中攻撃でした。
もう怖いのなんのって。
突然原因不明の腹痛が襲ってくれば良いと切に願っていたものです。
結局、毎回ちゃんと出席はしていましたが。

今思えば、あの頃が一番充実していたんではないかと。
怒られたことばっかだったけど、
それはとどのつまり私のせいなんだし、
頑張った所はちゃんと分かって認めてくれたし、
厳しかったおかげであんなにいい演奏が毎回出来てたんだと思う。

大きな演奏会の前日。
夜の9時ごろまで練習していた日。
曲を完成させて、先生が最後に言った言葉。
正確には覚えてないんだけどさ。
ってか、そんなに名言的に言った言葉でもないんだけどさ。
「たった数分間の演奏のためだけに、毎日毎日学校に来て練習して大事な夏休み割いて、、、」

『たった数分間の演奏のためだけに』

この言葉が今だに印象に残ってるの。
たった数分間のためだけに怒られて、
            何回も泣いて、
            ミーティング重ねて。
でもその数分間は、
散々怒られたことを全く苦としないくらい、
むしろ、言われてやらなかった事を後悔するくらい。

本番は練習時間の何分の1にも満たない。
でも。
その時間があるからこそ。
あるからこそ。

先生。
本当に感謝してますよ。
私が音楽から離れた事は、私の中で大きな誤算です。

 

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