聞こえる。　「またね」。　

Dadさん、秘密あります⇒

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聞こえる？
ううん、聞こえない。
どうしても聞こえないょ。

ねぇ聞きたいょ。
でも、聞こえないの。

、、、、、当たり前ね。
何も言ってくれてないんだもん。

なにか言ってくれてる事を期待して。
その言葉に耳を傾けて。
声にならない言葉を。

ねぇ。
やっぱり人間の語彙は少ないね。
どうしても見つからない言葉がたくさんある。
すべてを伝えきるためには、まだまだ。

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今日は寒かったねぇ。
凍傷になりそうだったよ。
足の先が紫化しそうだったょ。
あっぱれ、東京端っこ。

でも例年の冬ってこんなんじゃなかったと思う。
もっと寒かったよ、絶対。
私はそんな冬の方が好きだもん。

夕方は冷え込んで、木も茶色い。
風はダイヤモンド。
尖って、綺麗で、風は古くならない。
市役所の庭で友達と何時間も喋って、またねで別れる。
「またね」ってのが嬉しくてさ。
またねって事は「また会おぅ！」って事で。
お互いまた会いたいから「またね」で別れるわけで。
嬉しかったなぁー。

他愛のない話をいっぱいした、内容なんて覚えてないょ。
でも楽しかったなぁ。
ワタナベ酒店でお菓子買って、
市役所行って、
自転車でグルグル回って、
他愛のない話。

褪せた深緑。
蛍光橙の裏地。
ずっと着てたジャンパー。

「勝手に帰るなよ。」

思い出す事など。
悠久的回想。